345「芸術の力で、山をいくつも乗り越えてきたんです」

若い頃、前衛芸術家・草間弥生がわかりませんでした。

ニキ・ド・サンファルの過激なアクションは私にとって遠い存在でした。

yoko onoは特別に恵まれた人と思っていました。

 

特に草間弥生の作品は、

自分の内側をえぐられているような気がしました。

私がスケッチブックに落書きしていたようなドットの群れが

大手を振って「芸術」していたからです。

 

ニキの作った巨人「ナナ」は

いかにも女性が作りそうな

ぶかっこうなデッサン力がない立体に見えました。

つまり、私のなかには、それらが無意識のレベルで深く根ざしていたのです。

 

自分のなかにあるものに忠実で、それらを否定しない強さを

持ち続け、戦い続けた女性たちが

ようやく今頃になって光りを浴び始めたのかもしれません。

 

私は、あまりにも男性中心が作り上げた社会に順応することを

求められ、その服装が似合うように生き続けたのかもしれない、と

最近思います。

あまりにもこの服を着続けたので

似合うかどうかもわからなくなっている。

 

でも、まだ間に合いそうな気がしています。

草間弥生は、

「人生の終わりに近づき、熱烈に絵を描くための時間がほしい」

「芸術で築き上げた世界に、この年になって自信がでてきた。

今までのことを土台に、これから本気になって、

絵描き、芸術家として立っていくときなんです。」

 

あんなに毛嫌いしていた草間弥生は

芸術をやり続けて芸術によって困難の山を乗り越えてきたんだ。

だったら私には、デザインがある。

必死で続けてきたデザインでこれからの大切でわずかな時間を

乗り越えていこうと思います。

 

毎日をデザインする。 私をデザインする。

 

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