旧友からのご依頼で、お母様の若い頃の手記を本にしました。
厚み1センチほどのコンパクトな作りですが
カバーの用紙にはきらびきを使用。見返しに若草色を配し、
着物のような華やかな作りにしました。
地元福岡の印刷所にお願いし、
本紙には本格的な書籍用紙を使用しました。
これから半世紀はもちて欲しいと考えると、
簡易印刷をお薦めする気になれませんでした。
四人の娘さんたちにとっても宝物になりますように、と
願いを込めて作成させていただきました。
絵柄や写真はひとつずつ、
お母様にとって思い出のあるものを使いました。
最も大変な、文章のタイプアップはお父様が、
文字校正作業は娘さんたちの手でなされ、
私が依頼をうけて、およそ半年で仕上がりました。
完成した本は私家本ですが、
お母様にゆかりの大学にも寄贈させていただきました。
デザインを通じて、旧友の想いを形にするお手伝いができたことが
大変うれしい仕事でした。